はじまりの始まり
小学生4年生の頃、当時通っていた塾の昼食代としてもらっていたお金で、ご飯を買わずに司馬遼太郎の『項羽と劉邦』を買って読んでいました。もちろん、自分のお腹は空いたのですが、何度か親にねだっても手に入らなかった本を読める充実感にとても満足していました。『項羽と劉邦』は、上中下の3冊だったので、3回の昼食代を使って本を買うと、それぞれすぐに読み終えていました。その後も、多くの歴史の本を読み漁り続けました。
大学生の頃は、塩野七生の『ローマ人の物語』に夢中になっていました。子供の頃からの変わらぬ性分で、大学生になっても、当時のアルバイト代の多くを歴史の本につぎ込んでいました。また、通っていた大学では、著名な歴史学の先生たちの講義よりも、一人で蔵書の充実した図書館にこもる方がずっと楽しく、一応講義に出て話は聞くものの、一人で図書館に行くことが日課になっていました。
そして、違和感
大人になってからも、留学や海外赴任などで他国へ行くたびに、それぞれの国の歴史を聞いては、日常にはない歴史の世界に浸っては楽しんでいました。
ただ、最初は基本的な歴史を知ることに終始していたのが、やがて歴史の深みを知り始め、自分が見ていた歴史の姿は、現実的な歴史の姿と少し違うことに気づき始めました。
歴史の実像
とは言え、何が具体的に違うと感じたのかと言われると、まず以下の点です。
- 死が身近にあること
- 兵力が誇大表現されていること
- 戦い方が地味なこと
どれも戦いの場面に関連する点ではありますが、これは戦いだけでなく、当時の社会の空気感として、重要な要素になっています。そこら中で人が死に、軍勢は小規模で、歴史の転換期となる戦いは地味なやりとりで終わっていた実像が見えてきたのです。
終わらぬ冒険へ
今回は、最初ということで具体的な話はせず、ブログを始めた背景だけ話させてもらいました。次回から、それぞれの時代、国/地域、人物たちについて書いていきたいと思います。
これから歴史の授業やテレビの時代劇からは、なかなか知りえない歴史の一面に光を当てつつ、分かりやすく、歴史の世界を描いていければ、と思います。